読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最も打ち込んでいるものはキーボードです

漫画とか小説とかゲームとか日記とか雑記とかとかを更新します。

華金に咲く一輪の華

金曜の夜は、駅のホームに吐瀉物の華が咲き乱れる。

まさに華金である。

とある金曜日、俺は終電近くの電車で帰路についていた。

スカスカの座席に陣取る、一人のサラリーマンらしき男性。

顔は赤く、目はうつろ。

明らかに泥酔している。

こんなになるまで飲むなんて、日々のお勤めのご苦労が窺い知れる。

次駅のアナウンスが流れると、男は早めに席を立ち、ドアの前にスタンバった。

窓から見える景色がホームに変わる。

電車は徐々にそのスピードを下げていき、停止した。

と同時に、男の足元に一輪の華が咲いた。

吐瀉物である。

ゲロである。

そんな汚物を避けるように、電車のドアは遅れて開いた。

なんということだ。

なぜあと3秒待てなかったのか。

男は目の前の華を踏みしめ、何事も無かったかのように夜のホームへと消えて行った。

この華を摘む人の気持ちを憂いつつ、俺はそっと隣の車両に移動したのだった。